日本語表現研修センター

第1研修室■いろいろな文書

通知書・会議案内・行事案内

 公文書のように様式が決まっている場合は楽ですが、特に様式が決まっていない通知書類を作らなければならないこともあります。様式がないということは、好き勝手に作ってよいということではありません。情報に漏れがあったり、誤解を招く通知書類を作ると、トラブルになります。
 様式が決まっていない場合でも、下の代表例を基本に、必要に応じて取捨選択・編集するようにしましょう。

会議案内の様式例

文書番号

 送信する文書が多い場合、文書の右上に通し番号を打つことがあります。これが文書番号です。関連する文書を送信元から宛先にいくつも送っている場合、後でなんらかの協議が必要になり、「それはどの文書に書いてあるか」を特定しなければならなくなることがあります。そういうとき、文書番号がついていると便利です。通し番号だけでは、同じ番号を持つ文書が複数存在するおそれがあるので、用件のカテゴリーや送信元を表す略字を、通し番号の前につけます。
 若手のうちは、文書番号を義務づけられるような文書を作ることがあまりないかもしれませんが、複数の企業や機関が共同で研究やプロジェクトを行う場合、自主的につけておくと便利かもしれません。英文の場合、自社がつけた文書番号を「Our Ref.」、相手先がつけた文書番号を「Your Ref.」と呼びます。「Ref.」は「Reference」の略です。

写しとは

 AさんがBさんあてに文書を送ったとき、「私はこのような内容の文書をBさんに送りました」ということを、別のCさんに知らせておきたい場合があります。このような場合には、宛名の下に「写し」と記してCさんの名前を書いておき、文書をBさんとCさんに送ります。
 上の例では、各部の庶務担当者は、写しが自分の部の部長に送られており、自分がこの会議に出席することを部長は把握していることがわかります。また、部長は、年末調整説明会があること、部下の庶務担当者がそれに出席することがわかります。宛先はあくまで庶務担当者ですから、この文書に対して応答(たとえば「欠席する」など)すべき人は庶務担当者です。部長はこの文書ではもともと出席を要請されていないし、欠席の連絡をする必要もありません。
 こうすることによって、1枚の案内の文書が、宛先への案内機能だけでなく、上司と部下が情報を共有するための機能をもはたすことができるのです。
 電子メールの場合は、「Cc:」という項目が写し送付先のための項目です。

発信元

 発信元のところには、案内を書いた個人でなく、所属部署の名称、責任者の役職および氏名を書きます。したがって、当然、案内を書いたら、責任者に見せ、承認を得る必要があります。文書によっては、公印や職印を押してもらいます。案内を書いた個人に関する情報は、一番下の照会先のところに書きます。
 個人の一存で作ってよい文書の場合は、発信元のところに自分の情報を記載してかまいません。

会議案内の本文の書き方

 開催趣旨のような概念的メッセージは、一度で理解し、長期記憶にとどめることができます。一方、5W1H(いつ、どこで、誰が、何のために、何を、どのように)のような逐語的情報は、短期記憶にしか入らないので、何度も参照する必要があります。これら性質の異なる2種類の内容をごっちゃに書くと、互いに殺し合い、どちらも伝わらなくなります。概念的メッセージは文章で、5W1Hのような逐語的情報は要点を箇条書きで、というように、見た目にもはっきり区別して書きます。

電子メールの場合

 企業では、通知・案内を電子メールで送るところが多くなりました。電子メールで送る場合は、できるだけメール本文にすべての情報を書き込むようにしましょう。通知・案内を添付書類にすると、添付書類を開くために一手間かかります。また、日時・場所の情報をモバイル端末のカレンダーやリマインダアプリと連携させることも難しくなります。
 メール本文にすべての情報が書いてあるのに、さらに同じ内容の添付書類をつける方があります。親切のつもりかもしれませんが、受け取る側にとっては鬱陶しいものです。宛先の中になんらかの事情で添付書類の必要な人がいて添付する場合は、「添付書類はメールと同内容」ということを、メール本文に断っておきましょう。
 メール本文には右寄せ、中央揃えなどの機能がないので、発信元、標題、照会先をむりに右寄せ、中央揃えに整える必要はありません。リッチテキスト形式やHTML形式でメールを作れば、メール本文でも右寄せ、中央揃えにできますが、多くの宛先に一斉送信するメールは、標準テキスト形式、すなわち書式情報を含まない形式で作るのが礼儀です。リッチテキスト形式やHTML形式でメールを作ると、受信側でトラブルを起こすことがあります。困ったことに、Outlookなどメジャーなメールアプリケーションの初期設定が、リッチテキスト形式やHTML形式でメールを作るようになっていることが多いので、点検しておきましょう。

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研究論文(理系)

研究論文とは

 研究論文は、学位論文および投稿論文に大別できます。「学位論文」と言うと博士論文を指すことが多いですが、本来は卒業論文も修士論文も学位論文です。学位論文は高等教育機関または独立行政法人大学改革支援・学位授与機構で審査されます。(余談ですが、大学や高専に入学しなくても、学位論文を書いて独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に審査してもらうことができます) 学位論文が審査に合格すると、学士、修士、博士などの学位が授与されます。
 一方、投稿論文は学術雑誌の論文審査委員会で審査されます。審査に合格し、掲載料を納めると、その学術雑誌に掲載され、多くの研究者の目に触れることになります。
 研究である以上、学位論文も投稿論文もオリジナルでなければなりませんが、学位論文が学位の取得を目的とするのに対し、投稿論文は研究成果に対するプライオリティを獲得するところに特徴があります。
 夏休みの「自由研究」やレポートも、研究論文と少し似ていますが、大きく異なるところがあります。それは、レポートや「自由研究」が既に世の中にある情報を寄せ集めて来るのに対して、研究論文では世界の誰も知らない新しい知見(知識、情報)が明らかにされなければならないということです。これを新奇性と言います。もし、新奇性がなければ、何百ページ書き上げても、それはただ長いだけのレポートに過ぎません。
 また、新奇性があっても、それが正しいことを客観的に証明できなければ、研究論文ではありません。これが文芸作品との違いです。
 研究論文に述べる事柄は、(1) 事実に基づいていること、(2) 推論が論理的であること が必要です。さらに、この二つが守られていることを、読み手がチェックできるように書かれていなければなりません。その研究論文を読んだだけでチェックができればそれに越したことはありませんが、たいていそれは難しいので、根拠となる過去のデータの所在、過去の論文、確認実験の方法、などを本文または参考文献に示しておかなくてはなりません。

研究論文の構成

 研究論文は、一般に、緒論、方法、結果、考察、結論、参考文献、謝辞から構成されます。テーマによっては、これと異なる構成をとることもあります。たとえば、結果と考察とが一つになっている論文もよくあります。また、複数の研究内容から構成される大規模な論文では、研究内容毎に緒論、方法、結果、考察、結論が書かれることもあります。
 緒論は、従来の研究を概観したうえで、本研究の目的と意義を明確にする部分です。
 方法は、その研究で行った実験(または調査)の方法、試料、調査対象などを、詳しく紹介する部分です。図、表も活用して、読み手の理解を助ける工夫をしてください。
 結果は、実験(または調査)で得られた結果を報告する部分です。ここでも、図、表を活用して、読み手の理解を助ける工夫をしてください。生データが非常に多い場合には、生データを補遺の部分に収録し、実験結果のところでは生データを加工・集約したグラフを載せるといいかもしれません。
 考察は、研究の目的および従来の知見と比較して、結果を評価し、新しい知見を明らかにするところです。できるだけいろんな角度から、結果を評価・解釈してみます。解明しきれずに残った課題も、ここで明確にします。根拠があるわけではないが個人的に特記したい仮説、着想などがあれば、その旨を断ったうえで、ここに書いてもかまいません。
 結論は、緒論から考察までを要約したものです。まず目的と方法をごく簡単に(数行で)述べたあと、行を改めて「その結果、次のことがわかった」と書き、また行を改めて、本研究でわかったことを箇条書きにします。結論のところには、それまで触れなかった新しい事項を書いてはいけません。
 参考文献は、緒論から考察までの間に参照した過去の文献のリストです。緒論から考察までの間の文章で、文献を参照するたびに、参照した文章の終わりに上付き文字で番号をつけ、対応する文献に同じ番号をつけて参考文献リストに加えます。参考文献としては、原則として学術雑誌掲載論文、単行本、学会講演大会予稿集、学位論文のように、紙ベースで保存されているものを使います。インターネットのwwwサイトは、URLが変更されたり、コンテンツが削除されたりすることが多いので、参考文献としてあまり好ましくありません。
 謝辞は、研究論文を完成させるにあたって、お世話になった個人、機関に感謝の言葉を述べる部分です。指導教員、試料提供者、実験方法指導者、データ提供者、実験協力者、研究費助成機関、などが対象となります。対象者、対象機関が複数の場合は、貢献度の大きい順に書きます。

緒論の書き方

 緒論は、原則として、次の部分から構成されます。
(1) 研究の背景
(2) その研究分野における課題
(3) その課題について、従来の研究でどこまでわかっていて、何が未解明で残されているか
(4) 未解明で残された課題のうち本研究では何を明らかにしようとしているか
 研究論文の審査委員にしても雑誌の読者にしても、その論文のテーマを熟知する研究者よりも、あまりよく知らない研究者の方が多いものです。したがって、その研究テーマについてあまり知らない人でも、その研究の意義や予備知識を理解できるように緒論を書く必要があります。
 緒論は、通常、考察と並んでたくさんの参考文献を引用するところです。ここで引用する文献が少ないと、そのテーマについてあまり勉強していないと評価されるおそれがあります。
 背景のところでは、研究テーマの背景となる社会的要請、技術分野について、異なる分野の研究者が読んでも理解できるように、わかりやすく説明します。ここで書かれることが、本研究を理解するための予備知識になります。背景がよく知られたものであれば、数行ですみますが、特殊なものの場合は何十ページも費やさなければならないかもしれません。
 自然科学で一般に使われない特殊な専門用語、業界用語が本文に出てくる場合は、その意味をここで説明することもあります。
 次に、その背景において、どのようなことが課題となっているかを、数行程度で述べます。いきなり研究の目的を書くのでなく、その前提となる工業的、社会的課題について書きます。
 次に、その課題に対して、従来の研究でどこまでわかっていて、何が未解明で残されているかを明らかにします。これを書くためには従来の研究について勉強しておかなくてはなりません。それには、先行研究の論文、書物、各種事典、ハンドブック、インターネットなどが役に立ちます。文献を収集する場合は、JDream III、ScienceDirect、CiNiiなどの文献データベースで検索します。抄録を読むだけでも、けっこう概略を把握することができます。特に重要と思われる文献は、全文を取り寄せます。オンラインで全文がPDFで手に入ることもあります。
 ここが明確に書かれていないと、すでに過去に別の研究者がやったことと同じ研究を繰り返してしまうおそれがあります。
 従来の知見を紹介する部分の文章は、原則として「誰(研究者)がどんなことを明らかにした」という形式をとります。
 最後に、未解明で残された問題のうち、今回の研究では、どのような観点・方法で、何を明らかにしようとしているかを簡潔に書きます。
 学位論文にはページ数の制限がないので、緒論にいくらページ数を使ってもかまいませんが、投稿論文にはページ数の制限があるので、緒論はできるだけコンパクトに書き、結果および考察に最も多くのページを割くべきです。

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レポート(学校)

レポートとは

 一口に「レポート」と呼ばれる文書にはいろいろな種類があるので、ここでは、大学、高専、高校、中学で課されるレポートを取り上げます。これらのレポートは、学習の一形態と位置づけることができます。形式的には研究論文に似ていますが、新奇性を求められることはありません。代わりに、自主的・能動的に学習し、その結果を総合的にまとめて表現することが求められます。また、締め切りが設定されることによって、スケジュール管理も求められます。
 内容から分類すると、授業科目として行われる実験に関するもの(実験レポート)、あるテーマについて百科事典のように情報を収集するもの(テーマレポート)、動植物や自然現象の観察に関するもの(観察レポート)などがあります。実験レポートの場合は、予備知識、実験手順、結果のまとめ方などが書かれた実験指導書を使います。さらに、自分で参考書を探して使うこともあります。テーマレポートの場合は、本、報道記事、ウェブコンテンツなどの参考書・参考情報源を自分で探します。まれに、体験者や専門家にインタビューすることもあります。
 このように、観察レポートに比べ、実験レポートおよびテーマレポートは、指導書・参考書・参考情報源に大きく依存します。このため、初心者においては、指導書・参考書・参考情報源の著者と自分とを同一化してレポートを書く学生・生徒が少なくありません。わかりやすく言えば、丸写しする傾向があるということです。

実験レポート

 たとえば、実験指導書に「この実験の目的は…を理解してもらうことにある」と書かれているとします。この文章は、指導書を執筆した教員が学生に…を理解してもらいたいと言っているわけです。ところが、この文章を丸写しして、実験レポートに「この実験の目的は…を理解してもらうことにある」と書く学生がいます。実験レポートは学生が書いて教員に読んでもらう文書ですから、これでは、学生が教師に教えようとすることになります。
 また、実験指導書の手順のところに「最も適切な読み取り精度で測定し、平均値を求める」と書かれているとしましょう。この文章は、最も適切な読み取り精度を学生が判断して読み取ることを、教師が求めているのです。したがって実験レポートには、「最も適切な読み取り精度」を自分がどう判断して決めたかを書かなければなりません。つまり「小数点以下○桁までの精度で測定し、平均値を求めた」のように書くべきです。レンジを切り換えられる電気的測定器の場合は、レンジによって小数点位置が変わるので、「有効数字○桁までの精度で測定し…」のように書くことになります。
 このように、実験指導書は、教員が学生に教えるために書かれるのに対し、実験レポートは、学生が自分の実験を教師に報告するために書かれます。実験指導書と実験レポートとは、このようにスタンスが全く異なりますから、何も考えずに実験指導書を実験レポートに書き写すと、おかしなことになります。
 時制にも注意が必要です。実験指導書では、学生がこれから行う作業を指示するので「すべての数値は小数点第1位に四捨五入する」のように現在形または未来形で記述します。一方、実験レポートでは、行った作業の結果を報告するのですから、「すべての数値は小数点第1位に四捨五入した」のように、原則として過去形で書くべきです。
 構成にも注意が必要です。実験指導書には、大きなスペースを割いて予備知識、実験手順、解析手順などを詳しく説明した節があります。これらは、知識のない学生に知識を伝えるために実験指導書に設けられているのです。したがって、これらをレポートに書き写すと、レポートを読む教員に対して失礼です。教員としては、「そんなこと、きみにくどくど説明してもらわなくても、私は君より100倍よく知っているよ」と突っ込みたくもなります。ひょっとすると、「指導書の内容を学習したという証拠のために、予備知識・実験手順・解析手順をレポートに詳しく書け」と指示する教員が、中にはおられるかもしれませんが、このような指導は学生に丸写しを促すだけであり、意味がありません。実験指導書の構成とは関係なく、実験レポートとしては、目的、方法、結果、考察、結論という構成が原則です。

テーマレポート

 テーマレポートについても、同じようなことが言えます。通常、参考書の原著者が専門家であるのに対し、テーマレポートを書く学生・生徒は素人です。たとえば、アメリカ史に関して、「イギリスは、18世紀前半までに東部海岸に13の植民地を建設した」(出典「もう一度読む山川世界史」山川出版社)と、原著者がまるで見てきたかのように参考書に書いても、これは許されます。原著者は多くの史料や学会の定説にあたって、記述の正しいことを確認しているからです。しかし、学生・生徒がたかだか2~3冊の参考書を読んだくらいで、テーマレポートに「イギリスは、18世紀前半までに東部海岸に13の植民地を建設した」と書いたら、身のほど知らずというものです。テーマレポートは、基本的に「どのような情報源は、どのように言っている」というスタンスで書かれるべきです。
 テーマレポートの文章の書き方としては、報道の文章が参考になります。報道では、「警察発表ではこう言っている」「誰それがこう発言した」「取材の結果、こういうことがわかった」というように、情報だけでなく、その情報源を明らかにしています。
 学生・生徒の個人的な解釈や所感を述べてもかまいませんが、参考書から得た情報と個人的な解釈・所感とは、はっきり区別できるように書かなければなりません。
 個人的な解釈・所感を表現する文章としては、「…と考えられる」「…と推定される」、まれに「…と思われる」が一般的です。「…と考える」「…と考えた」「…と思う」は、高校生くらいまでならかまいませんが、大学生、高専生のレポートでは幼稚に見えることがあります。
 同じ解釈・所感でも、個人的でなく、多くの人に定着しているものは、「…と考えられている」「…と言われている」のように表現することができます。

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計画書・報告書

 提案または報告のために作られ、ページ数の多い文書です。研究開発計画書、事業計画書、調査報告書、事業報告書、海外(または長期)出張報告書などが該当します。
 このようにボリュームの大きい文書を作るとき、何も準備せず、いきなり1ぺージ目から書き始めると、途中で疲れたり、時間がなくなったりして、第1章ばかり異様に長く、重要な章がやっつけ仕事になってしまいかねません。
 ボリュームの大きい文書を作り慣れていない人は、まず書くべき内容をすべてメモや写真等、紙の形にして集めましょう。もともとメモや写真があればいいですが、なければポストイットに要点を書き出すなどします。こうして、書くべきネタを見える化した上で、全体の構成、大まかなページ数配分(執筆時間配分)など、言わば「文書の設計図」を決めてから、執筆を始めます。ネタが多いときは、KJ法(川喜田二郎「発想法―創造性開発のために」中央公論新社)で整理するとよいでしょう。
 書くべきネタを見える化しておけば、その仕事にかけられる時間数やぺージ数に応じて、ネタを取捨選択したり、執筆を分担したりすることも可能になります。
 また、「文書の設計図」は、その文書の目的に合うように決めなければなりません。たとえば、研究開発計画書や事業計画書の目的は、決裁権限のある役員や会議体に、計画を認めてもらうことにあります。であれば、ネタとして予算、期待効果、スケジュールが必須であり、「これだけの予算をかければ、これだけの期間でこれだけのメリットが見込める」ということを説得できるように構成を決めることになります。研究開発報告書や事業報告書であれば、成果をアピールして、プロジェクトに参加したメンバーや部署の評価を高めることが目的です。であれば、「これだけのリソース(人、予算、資材)を投入して、それ以上の成果が得られた」ということを理解してもらえるように構成を決めることになります。
 なお、スケジュールは、表や項目リストの形でなく、必ずガントチャートにします。表や項目リストの形では進捗を把握することができないので、「スケジュールを管理する気はありません」とPRするようなものです。
 報告書にも、今後の方針および今後のスケジュールが必要です。

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規則・会則

 大企業や立法機関なら法務の専門家がいますが、小さな機関、特定非営利活動法人、PTA、自治会などでは、畑違いの担当者が規則・会則の原案を作らされることがあります。規則・会則の構成、書式、決めるべき内容については、本研修所の域を超えるので、目的に応じて調べていただくとして、本稿では、慣れない人が規則・会則を作る際の一般的な注意点を述べておきます。
 規則・会則もわかりやすいに越したことはありませんが、最も重要なのは鉄壁の厳密さです。誤り、漏れ、矛盾があってはいけません。当該規則・会則の中に矛盾が許されないのは当然のこと、関連する他の規則・条例・法律とも整合が取れていなくてはなりません。そのためには、あらゆる角度から慎重にも慎重を重ねて検討する必要があります。
 たとえば、ある団体で新しい規則を作る必要が生じ、事務局を担う金融機関の中堅の方が原案を作りました。ところが、その原案の中に、あることを誰が判断するのかわからない条文がありました。誰が判断するのかが定まらなければ、その条文の意味がなくなるほど本質的なミスでした。これは、「主語と述語とを対応させる」という習慣がついていれば、防ぐことができたはずなのです。
 5年後、10年後でも通用することも大切です。策定時には予想できない事情が生じて改正が必要になるのは、ある程度仕方ありませんが、組織の発足に気を取られて、継続して運営するための取り決めが洩れている規則もよくあります。
 すでに古い規則があって改正を加える場合や、他団体の類似の規則を流用する場合も、細心の注意が必要です。古い規則や他団体の規則があると、運用実績がある=完璧な規則と思い込み、できるだけ手を加えずに使いたくなる気持ちはわかりますが、それは危険です。運用実績があっても、誤り、漏れ、矛盾を含む規則がめずらしくありません。責任者が何代も変わっているのに、欠陥のある規則が延々と後生大事に引き継がれている例をいくつも知っています。欠陥のある規則は、組織にとって不発弾のようなものです。

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